TOEFL iBT完全ガイド|試験概要・スコア・勉強法をまとめて解説
「TOEFL iBTを受けたいけれど、どんな試験で、どう勉強すればいいのか分からない」──そんな人向けに、
本記事ではTOEFL iBTの全体像と効率的な準備方法をコンパクトに整理します。
試験の構成・スコアの仕組み・4技能別の学習ポイントまで、一通り把握できる内容です。
1. TOEFL iBTとは?目的と位置づけ
TOEFL iBTは、世界中の大学・大学院が入学要件として利用している、
「英語で学ぶ力」を測るテストです。単語や文法の知識だけでなく、
英語で考え・理解し・コミュニケーションする力が問われます。
1-1. 想定されている場面
- 大学の講義・実験・ディスカッションでのやり取り
- 学生同士の会話や、学内での日常的なコミュニケーション
- 書店で教科書を購入する、図書館で資料を探す など
試験で扱われる音声や文章は、こうしたリアルな大学生活のシーンをベースに作られています。
1-2. グローバルな認知度
TOEFL iBTは160カ国以上・12,000を超える大学・教育機関で採用されており、
北米・欧州・アジア・オセアニアなど世界中で高い信頼を得ています。
1つのスコアで複数国の大学出願に使えるのが大きなメリットです。
「英語で大学の授業についていけるか」を測るテストだと理解しておきましょう。
2. 試験の構成と時間配分(4技能の概要)
TOEFL iBTはおおよそ2時間以内で終了し、1日で4セクションすべてを受験します。
すべてコンピュータで解答する形式です。
- Reading(35分):学術的な文章を読み、内容理解・推論・要約など20問に解答
- Listening(36分):講義3本+会話2本の音声を聞き、内容理解・発話意図・情報統合を問う28問
- Speaking(16分):独立タスク1問+統合タスク3問、マイクに向かって回答を録音
- Writing(29分):統合タスク1問+ディスカッションタスク1問、計2問
試験中は全セクションでノートテイキング(メモ取り)が許可されています。
メモ用紙は試験後に回収・破棄されますが、特にListeningとSpeakingではスコアに直結する重要な要素です。
3. スコアの仕組みとMyBest Scores
3-1. セクションスコアとトータルスコア
各セクションは0〜30点のスケールで採点され、4技能の合計が0〜120点のTotal Scoreになります。
- Reading:20問の正答数をスコアに換算
- Listening:28問の正答数をスコアに換算
- Speaking:4タスクの音声を、認定採点者+AIが評価
- Writing:2タスクのエッセイを、認定採点者+AIが評価
スコアは、テストセンター/Home Editionで4〜8日程度、Paper Editionで11〜13営業日程度で公開され、
有効期間は2年間です。
3-2. MyBest Scores(スーパースコア)とは?
TOEFLにはMyBest Scores(スーパースコア)という制度があり、
過去2年間の複数回の受験から各セクションの最高スコアだけを組み合わせたスコアを提出できます。
たとえば、1回目の試験でReadingが高く、2回目でSpeakingが高かった場合、
それぞれのベストスコアを組み合わせたMyBest Scoreがスコアレポートに表示されます。
少ない受験回数でも志望校の条件を満たせる可能性が上がる仕組みです。
スコアレポートには、Total Score・各セクションスコア・熟達度レベルに加え、
MyBest Scoresがまとめて表示されます。ETSアカウント上では、
セクション別の得意/不得意やサンプル回答など、より詳細なフィードバックも確認できます。
4. 4技能別に見るTOEFL iBTの特徴と勉強法
4-1. Reading:大学レベルの文章を読みこなす
Readingでは、大学レベルの教科書や学術出版物から取られた文章が出題されます。
自然科学・社会科学・芸術・ビジネスなど、幅広い分野をカバーしているのが特徴です。
求められる主なスキルは次の3つです。
- 情報検索:日付・数字・固有名詞など、必要な情報を素早く探し出す力
- 基本理解:主旨・重要な詳細・語彙・参照語など、文章の内容を正確に把握する力
- 学習のための読解:文章構造の理解、暗示された内容の推論、要約作成など
勉強法としては、重要情報にマークをつけながら読む習慣をつけること、
スキミング(全体把握)→精読の順で読むこと、
そして段落ごとに自分の言葉で要約する練習が効果的です。
未知語は文脈から意味を推測し、頻出語彙はフラッシュカードやアプリで集中的に覚えましょう。
4-2. Listening:3つの理解レベルを意識する
Listeningでは、単に音が聞き取れるかどうかではなく、大学講義を理解できるかが問われます。
重要なのは次の3レベルです。
- 基本理解:主な話題(Main Idea)と重要なディテールをつかむ
- プラグマティック理解:話し手の意図・態度・感情を、イントネーションや言い回しから読み取る
- 情報の統合:複数の情報を関連づけ、全体として何を主張しているかを整理する
音源は、学術講義とキャンパス内の会話が中心です。どちらも音声は1回だけ再生されます。
メモ取りが許可されているので、5W1H(誰が・何を・いつ・どこで・なぜ・どのように)を意識してメモを残しましょう。
普段の学習では、TED Talksやポッドキャストを使い、聞く → 要約 → メモのセットを繰り返すと実戦力がつきます。
4-3. Speaking:論理的で一貫した話し方を身につける
Speakingセクションは、学術的な場面で自分の意見や要約を分かりやすく伝える力を測ります。
タスクは、独立タスク1問と、読む+聞く+話す/聞く+話すの統合タスク3問です。
採点は、次の3つの観点で行われます。
- Delivery:発音・イントネーション・流暢さなど、聞き手にとって分かりやすいか
- Language Use:文法の正確さ、語彙の適切さ、表現の幅
- Topic Development:内容の構成・一貫性・具体性
勉強法としては、自分の回答を録音して客観的に聞き直すことが非常に効果的です。
「結論→理由→具体例」の型で話す練習をしながら、時間内に話し切れるかをチェックしましょう。
統合タスクでは、Reading/Listening中に構成を意識したメモを取り、準備時間は文章を組み立てることに集中するのがポイントです。
4-4. Writing:論理的で一貫した英文を書く
Writingでは、大学レベルの課題に応じて論理的な文章を書く力が求められます。
タスクは「Integrated Writing」と「Academic Discussion」の2つです。
- Integrated Writing:文章と講義を読んで・聞いて、その関係を整理しながら要約・比較する
- Academic Discussion:オンラインディスカッション形式で、他者の意見を踏まえた短い意見文を書く
必要なスキルは、要約・パラフレーズ、段落構成、論理的展開、正確な文法と語彙選択、そして課題要求への適切な対応です。
普段から、英語で短いパラグラフを書く→推敲する→別表現に言い換えるという練習を繰り返すと、Writing全体のレベルが上がります。
5. 効率的なTOEFL勉強法:3つの柱+弱点補強サイクル
最後に、TOEFL iBTでスコアを伸ばすための勉強法の骨組みをまとめます。
5-1. 「テスト理解」「効率的な準備」「実践的スキル」の3本柱
- テスト理解:出題形式・時間配分・採点基準を把握し、「何をどこまでやればよいか」を明確にする
- 効率的な準備:公式問題集や模試・オンライン練習を活用し、本番形式に近い環境で慣れる
- 実践的スキル:日常学習で「読む・聞く・話す・書く」を毎日少しずつ行い、英語力そのものを底上げする
5-2. 弱点補強サイクルを回す
おすすめは、「模試 → 分析 → 学習 → 再テスト」のサイクルを回すことです。
- まず模試や公式Practiceで現在地を測る
- セクション別・問題タイプ別に弱点を分析する
- 本記事で紹介したReading/Listening/Speaking/Writingの練習法で集中的に補強する
- 再度テストを受けて、スコアと感覚の両方から成長を確認する
このサイクルを繰り返すことで、テスト慣れと英語力の両方が着実に積み上がっていきます。
TOEFL iBTは、「テストのコツ」だけでは乗り切れない試験です。
だからこそ、テスト構造の理解 × 本番形式の練習 × 日常的な英語インプット・アウトプットの3つを組み合わせることが、最短ルートになります。

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